「どうした?なぜ応えん。」
「それは覚えてません。」
「では重家も覚えてはおらぬということだ。」
そうだけど。
その通りなんだけど。
なんだか悔しい!
「意地悪!私が知っていたらいいんです!」
少し声を荒げて話す私に三成はニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。
「では紫衣は覚えているファーストキスとやらの話をしてくれるのか?」
聞かれた事に私は戸惑いを隠せなかった。
肩がピクリと跳ねた私に三成は鋭い視線を向けてくる。
ファーストキスなんて余計なこと言うんじゃなかったって後悔したけど、
「どうした?話せないのか?」
三成の尋問に頭はパニックに陥っていた。


