溶けてタラリと私の手に落ちてくるソフトクリームをじっと見つめてため息を吐き出す。


結局私は何もかもが中途半端で佐和さんに何もしてあげれていない。


たくさん迷惑かけて、なのに私は何も返せない。

情けないな…。


「だけど、そんな紫衣だから石野さん夢中になっちゃうんだろうね。」


「……へ?…」


「そんな可愛い紫衣だから大好きなんだよ。」

私もその1人なんだけどねって言葉に私は呆けるしかなかった。


「私は私が嫌いだよ…。」


「どうして?」


「何も出来ないもの…。迷惑ばっかり掛けるし、なのに何も出来ない自分が嫌い!」


「じゃぁさ、紫衣は何がしたいの?」


「もっとみんなに守られるだけじゃない私になりたい。」


「ふ~ん……そんなこと?」


芽衣ちゃんの言葉は何だかちょっぴりだけど、どうでもいいよって聞こえた。


だから余計に心がズッシリと重くなる。


お兄ちゃんと紫衣の事も良君の事も、私は自分で何一つ解決出来なくて、考えても全然前になんて進まなくて…。


今回の旅行だってみんなが計画してくれたんでしょ?


だって私は何も知らされてなかったんだもん。


思い返すと益々落ち込むしかない。


「私は何にも出来てない…。」


「それでいいんじゃないの?」


「よくない!」


「それに、何も出来ないなんて誰も思ってないよ?
紫衣は石田から守ろうって思ってるんでしょ?
2人を守りたいって思ってるんでしょ?」


お兄ちゃんと紫衣を守りたい。
良君から2人を守りたい。
遠く離れていても2人の幸せを願わずにいられない。