「今日、俺がここで眠る予定になっていなかった。だから紅葉がいつものように紫衣の部屋の様子を見に来ていたんだ。
襖を開けて紫衣に変わりがないか確かめようとしたときが調度、その...終わった時だった。」


驚いて襖を閉めた紅葉さんを着物を羽織っただけで追いかけた三成と廊下で話していたんだ。


って!


見られたの?


見られちゃたの!?


明日からどんな顔して紅葉さんに逢えばいいの?


恥ずかしすぎる...。



「恥ずかしいと思っているのだろう?」


「はい。」


「だから話をしたのだ。紫衣に言うつもりもなかった。それなのに聞きたがるから仕方ないだろう?」


「ごめんなさい...。」


本当に聞かなくていいことだった。


でも後悔しても遅い。


聞いちゃったし...


恥ずかしすぎるし...。


三成は紅葉さんに私には何も言わないように話してくれたんだね。


「そんなに恥ずかしがることはない。紫衣は俺の妻なのだろう?」


「はい。」


「夫婦が体を重ねることはおかしいことでも恥ずかしいことでもないであろう?」


「はい。」


「それに...紅葉には紫衣は見られていない。咄嗟に隠したからな。」


お前のあんな艶めかしい表情を紅葉であっても見せられないからなって意地悪に笑いながら三成は囁いた。


幸せだったのになんだか急に落とし穴に落とされた気分。


でも!!


「三成様、大好き!」


今は彼を独り占めしたい。


私は三成にギュッと抱きついた。