翡翠の姫君〜Side*STORY〜





「そう。良かった。
今日一晩は寝てなさいね。」



ニコッと笑顔を見せてくれた。



「ありがとうございます。」


私はベッドから、軽くお辞儀して言った。




「…それと、レオ殿下。」




看護師長は私に向けた笑顔を今度はレオに向けて、とんでもないことを言った。




「ここは仮にも医務室です。
そういうことは、是非ご自室でなさってくださいね。」




「……………は?」




唖然とするレオ。




そっ、そういうことって…

もしかして、バレてるの!?



「そっ…それ、一体誰からっ……」




私が恐る恐る尋ねてみると、看護師長は変わらず笑顔でサラッと答えた。





「王子の側近の方…かな。」




看護師長は楽しそうにそう言い残して、部屋から出ていった。