何で今頃?
何で10年もたって…

頭の中が疑問で一杯になる。

「取り敢えず、中へどうぞ…」


空の母親はお邪魔しますと言い、ソファーに座った。


「煙草いい?」


私は縦に首を振った。


窓にいる空は…?
…カラスは、勝手に飛んでいってしまった。


「あのカラスは?」


えっ… 何て言えば…


「…ペット、です…」


だって空とは言えないだろ…


「嘘言うんじゃないよ!貴方の彼氏でしょ?」


空の母親は本気か冗談なのか分からないニュアンスで言ってきた。


「彼氏じゃないですよ…」


「あら?私の息子を馬鹿にしないでよ?」


何か心の中を読み取られた感じがした。