「俺はどうしても詩美の事が忘れられない…
だからずっと片想いのままで良いか…?」


春兄ちゃんは下を向いたまま答えた。


「良いよ。好きな人の事、そう簡単に忘れられないよね…?私も春兄ちゃんに愛されて嬉しかったよ…」


春兄ちゃんは嬉しそうに納得してくれた。


「俺の話はこれで終り!聞いてくれてありがとな!!」


ベンチから立ち上がった春兄ちゃんは、格好良い大人になってたのが分かった。


「いつまでも私のお兄ちゃんでいてね!!」


私は春兄ちゃんの後ろ姿に手を振った。


春兄ちゃんは振り向かないで手だけをあげた。



ありがと…

ごめんね…

避けたりして…

貴方の気持ちが分かって良かったよ。


ありがと…


お父さん。