「詩美ちゃん大丈夫だな?良かったぁ~」 見覚えがある声… 私は声のする方に顔を向けた。 「…春兄ちゃん…?!」 「良かったぁ!俺の事、覚えてくれてたんだ!!」 …嘘…はっ?…嫌…?! 「…何で…」 「もう詩美ちゃんたら、お前もう少しで車に引かれる所だったんだぜ?」 そう…なんだ…。 春兄ちゃんはたまたま私を見たんだね…? 「なぁ詩美ちゃん?俺んち来ない?」 お前、馬鹿じゃないの? 私を捨てた癖に…! 振られたか? 利用されてたまるか! 「ごめん…私行かないといけないから今すぐに…」