一話 『あたし、こんなはずじゃ…』





ガヤガヤと賑やかな教室。 そりゃそうだよね、まだ入学して一週間だもん 落ち着かないよねぇ。
あたし、千野李衣香(せんの りいか)も今年の春高校生になった15歳。
いっぱい友達作って、素敵な恋をして、素晴らしい青春があたしを待っているんだわぁ~ と青春に恋する普っ通の乙女です。
ある一つのことを除いて…


今日は、部活の説明会で新入生全員で体育館に集合。


あたしは、もう入りたい部活決めてるんです。 華道部なんてどうかなぁ~ 女の子らしくて、美しくて、凛としていて… 大和撫子の乙女なら誰もが憧れる部活。 うんッ!! 絶ッ対に入りたいッ!!!




バスケ部や吹奏楽部の紹介も終わり、ついにきました華道部の番が!

部長は、黒髪のストレートロングがよく似合う3年生。

キリとした大きな瞳 大人びた綺麗な顔。 だけど、女の子らしい可愛らしさがある。
声は 色っぽく、透き通っていて、まるで人魚姫の歌声のよう…。
スタイルだって、ステージ上とステージ下、20メートルぐらい離れている あたしからでも はっきり、 くっきりわかるほどの美しくさ。
クールビューティーっていう言葉がこれでもかってくらいハマる人。
スラっと伸びた足
すっと細くなったウエスト
形のいい胸

これぞ まさに パーフェクトガールッ!!


あたしも この人みたいになれるかな…
う~ん… 99,999…%無理だ

そもそも、あたしなんて 小学生並に童顔だし
声だって色気の『い』の字もない
おまけにスーパー幼児体型…

これぞ まさに 悲劇ッ!!(泣笑) グスン



「―― 花は人に安らぎを与えてくれる、大切な存在です。
傷ついた心を癒し、恐怖から体を守ってくれる。
華道部は 花に守られ、花を守り、愛しう部。
皆さん、 私達 華道部は、あなたがたの入部心からお待ちしております。」

ニコ

パーフェクトガールは、 最後にあたし達新入生に向かってダイヤモンド級の笑顔をくれた。