心霊現状調査クラブッ

いつの間にか、あたりは明るくなって、自分がいる教室がはっきりと見渡る。



だが、今の李衣香にとっては、それどころじゃなかった。





何故かって?

それは、目の前にいる美少年のせい。



パチッと目をあけると、そこには見たこともない美少年がいた。




サラサラとした明るい茶色の短い髪。


透きとおるようなエメラルドの瞳。


絹のように白くて整った綺麗な顔。


あの、華道部 部長に負けないくらいの美しさ。




「――ッ///!?(ボッ←効果音)」



驚いた李衣香は、声にならない叫びをあげながら、本日二度目の赤面。




な、なんなのッ///?
えぇッ な、何?
外国人ッ!?
てか、顔近ッ!!


頭の中でパニックになるが、体は全く動かせなかった。




今も、なお 彼の手は李衣香の頬にあった。

ぬくもりがますます伝わってくる。


心配そうに李衣香を見つめる瞳。



・・・。


二人の間に静寂が流れる。




まだ状況が理解できない李衣香は林檎顔のまま金魚のように口をパクパクさせる。




「っぷ、 アハハハハ。 いやぁ~、 よかった 元気そうで。」


彼は、そんな李衣香を見て笑い出した。



――ッ!
日本語しゃべったァー!!
てか、わ、笑われたぁーーーー!!///



笑われたことで李衣香の顔はまた赤くなる。


「ごめんね。 こんなところで一人にして。 今、 ロープ外すから。」



彼は李衣香の涙を拭いイスに縛られた彼女の腕をソッと優しく解放していく。