甘い吐息、微かに漏れる声、ギシギシと激しく揺れるベッド。

流れ作業のように一連の動作を終え、タバコに火をつける。
隣にいる女は一定のリズムで寝息を立てている。

ついさっきまで別々の道を歩いていた女だ。
私と交わったことでこの女は違う方向の道を歩むかもしれない。
だがそんなことは私には関係ない。
リアルはいつも自分のことだけなのだ。他人など、関係ないのだ。

さあ、行こう。


空はもう暗い。金を得た今、ここに用はない。
空の女物の財布をテーブルに置き、ワンルームのアパートからでる。