偽りの仲、過去への決別

自分なりの解決方法を見いだしたり、自分の感情の引き出しに直したりと個人によってちがう。或いは時間とともに忘却してしまう。 人間は色んな側面を持っている。
だから何事も1つの解決方法はない。 過去からの教訓を生かす人間もいれば、まったく生かさず、自分のこれからの未来だけに集中して答えを出す人間もいる。ただ時間だけは皆平等に過ぎていく。 人間は生きていく限り、時間を費やし最後には死んでしまう。
自分が変わらないと思っていても、時間は過ぎ、未来を生きるしかない。 当たり前の運命をどこかで拒絶すると、生きている過程で歪みができ、有り得ない問題を導き出し、困難に陥ってしまう。
シンプルな考え方が複雑化し、難しく生きることが、何か生きている実感を感じさせる。 素直な心が罪悪感を生み、悪く言えば考え方が浅い軽薄な人間の部類に入ってしまう。
同じ時間を過ごしているのに、考え方の違いある人は肯定的に受け取られ、ある人は否定的に取られてしまう。 なぜこんな現象が起こるのかは未来は複雑化を求めていないのに、人間が複雑化を求めてしまった結果である。
人の考え方なんて、そこにはその人の考えが存在しているだけだ。複雑でもない単純でもない自分の考えが。 カズは小室に話しかけられた。小室は非常にカズに好意的であった。 「今日も君の友達、見舞いくるかなあー。」 小室には昨日の残像がまだ残っていた。あれだけ揉めた松山や今日カズの病室にこれるのだろうか。小室は内心楽しみにしていた。 人と人とがぶつかりどんな形で修復するのか。いやこのまま自分自身に置き換えるとここには来ないだろう。 浅い付き合いしかしてこなかった小室はきっともめ事が起こると嫌気が差し来なくなるからだ。 しかしカズと松山には自分と違った感じがしていた。「さあー。昨日のことがあったから来ないかも。」
カズは正直今はまだ誰も来てほしくなかった。身内の祖父や父親にも今は会いたくはなかった。「そうかなあ。彼は今日も来そうに思うなあー。」「そうですか。」 カズは気のない返事をした。