偽りの仲、過去への決別

１年経ってないことはまだこの町に住める期間は大体２年はある。まだこの町で進級もしていない。 なぜこんなに永く住んでいる思いがするのか。やはり短い間でも、失った時間がそう思わせるのだろう。
だから失った時間をどこかで取り戻そうとして自分が持っている時間の軸が急激に働き始め、カズの感覚を狂わしていた。 貴重な時間を過ごす為に人間は存在しているのだろうか。カズには無駄な時間はないという自念を持っていた。しかし少しの間、時間を忘れて生きてみたいと思っていた。
時間という束縛から離れられた。しかし殆どの人間は生まれた時から時間に追われて生活をしている。変わらない風景の中にも人々の営みがあり、優しさや憎しみなどの人間が持っている感情がある。外見ではわからない本当の姿がある。深く関わらなければわからないことだ。
しかし人間は自分に関わることならば知ろうとする。知ろうとするとその先に喜びと苦しさが待ち構えている。しかし人間は貴重な時間を使ってでも知ろうとする。結果がどうなろうとも。人間には確かに死ねまでのタイムリミットがある。
人間には平等に時間がある。どんな時でも時間が過ぎていく。次の瞬間がもう未来である。 変わらない風景も確実に未来に向かっている。 未来という時間がわからないから不安になる。 だから人間は何かを学び、知ることにより、心の不安を和らげ、光あるものにするために時間を遡ろうとする。 自分の寿命がわからないから未来へ挑戦する。
人間には無駄な時間を過ごすほど時間はない。無駄と思えることも、その人にとっては実は大変貴重な時間なのかもしれない。 人間には先の未来もわからないし、自分自身の寿命もわからないからだ。 誰しも未来を判定することなど不可能だからだ。
自分自身がわからないのに、他の人間がわかるわけないからだ。 苦労や試練が生きる為に存在するのは未来に向かって生きていくには避けられないことだ。 人々が生きていく為にはあらゆるアクシデントが付きまとう。
その解決方法を探る為に人間はいろんなことを考え克服しようとする。 その過程で試練や苦労が生み出され付きまとう。 自分自身が生み出した葛藤に向き合い、不信感やあらゆる疑問が現れる。