ヒロの思った通りだった。松山の迷いの理由が。「俺やっぱり病院に行こう。そうしないといつまでも、みんなに誤解されたままで辛いし。」 ヒロは今、まだカズが手負いのうちに自分が有利になるようにカズを追い込もうと思っていた。 カズを脅すネタなんかいくらでもあった。
それに誰1人あの事件の現場にいた人間がいなかった。多分カズのことを信じる人間がいても、ヒロにとっては痛くも痒くもなかった。 カズはヒロに恐怖心を持っていると確信した。恐怖心を抱くと、頭の判断が鈍り、うまくやれば、自分が思うような展開に持っていける。
早い話、何でも云うとおりに動く手下ロボットに出来ると期待が膨らんでいた。 とりあえず洋二や松山を病院から遠ざけることを考えていた。 ここは一気にカズに怖いほどの恐怖心を受けさせることが肝心だとヒロは思った。 「カズが会いたくないって言っているのに、お前はそれでも行くのか。」「行くよ。別に関係ないだろう。」 ヒロはそれだけ話すと、さっさと松山の所に行こうとした。 その時、洋二がヒロにつかみかかってきた。 「ふざけやがって。お前がカズを兄貴達と襲ったのはわかってんだよ。」 洋二の凄い形相にヒロはたじろいた。体の大きい洋二はヒロの胸倉をつかみ、持ち上げた。 クラスメート達は始めて洋二の喧嘩姿を見た。誰もが唖然としていた。「苦しい……、苦しいよ…‥。」 ヒロは足ばたつかせていた。洋二を止める人間はいなかった。「助けて。助けて……。」 ヒロの声がか細くなった。「調子に乗ってんじねえよ。」 「止めろよ。」 洋二の腕を松山がつかんだ。 「どけよ。お前には関係ないだろう。」 洋二はヒロの胸倉を離そうとはしなかった。松山は力ずくで洋二の腕を離した。「お前もこいつとグルなんだろう。だからカズが会いたくないって言っているのに、平気で合わせようとしているんだろう。」
「何を言っているんだ。」 松山は否定した。 洋二は松山を睨むと、ヒロと同じように、胸倉をつかんだ。「お前わからないのか。カズが今どんな気持ちでいるのか。こんな奴の肩持って。」 松山は洋二の手をふりほどいた。
それに誰1人あの事件の現場にいた人間がいなかった。多分カズのことを信じる人間がいても、ヒロにとっては痛くも痒くもなかった。 カズはヒロに恐怖心を持っていると確信した。恐怖心を抱くと、頭の判断が鈍り、うまくやれば、自分が思うような展開に持っていける。
早い話、何でも云うとおりに動く手下ロボットに出来ると期待が膨らんでいた。 とりあえず洋二や松山を病院から遠ざけることを考えていた。 ここは一気にカズに怖いほどの恐怖心を受けさせることが肝心だとヒロは思った。 「カズが会いたくないって言っているのに、お前はそれでも行くのか。」「行くよ。別に関係ないだろう。」 ヒロはそれだけ話すと、さっさと松山の所に行こうとした。 その時、洋二がヒロにつかみかかってきた。 「ふざけやがって。お前がカズを兄貴達と襲ったのはわかってんだよ。」 洋二の凄い形相にヒロはたじろいた。体の大きい洋二はヒロの胸倉をつかみ、持ち上げた。 クラスメート達は始めて洋二の喧嘩姿を見た。誰もが唖然としていた。「苦しい……、苦しいよ…‥。」 ヒロは足ばたつかせていた。洋二を止める人間はいなかった。「助けて。助けて……。」 ヒロの声がか細くなった。「調子に乗ってんじねえよ。」 「止めろよ。」 洋二の腕を松山がつかんだ。 「どけよ。お前には関係ないだろう。」 洋二はヒロの胸倉を離そうとはしなかった。松山は力ずくで洋二の腕を離した。「お前もこいつとグルなんだろう。だからカズが会いたくないって言っているのに、平気で合わせようとしているんだろう。」
「何を言っているんだ。」 松山は否定した。 洋二は松山を睨むと、ヒロと同じように、胸倉をつかんだ。「お前わからないのか。カズが今どんな気持ちでいるのか。こんな奴の肩持って。」 松山は洋二の手をふりほどいた。


