町の不景気と連動して車が売れず、悩んだりしたが持ち前の明るさでどうにか頑張っていた。 しかしある日、仕事中、急に胃が痛くなり、そのまま入院してしまった。 小室は内心休みが取れて嬉しかった。あまりにも車が売れず、本気で転職を考えていた。 だから小室は焦らずこれからの人生の選択を時間をかけて考える時間ができたことは幸運であった。 時間ができたからと言っても小室はどうしていいか判断できずにいた。いや一生のことを考えるには、小室はあまりにも臆病になっていた。
一生を決める転換期に小室は今までの経験と実績に未練を覚えていた。 会社を止めて、どこで何をやるかも決めてはいなかった。次の一歩を踏み出すには展望がなかった。 小室は会社にすぐに復帰するつもりはなかった。 同僚達が見舞いに来ることが苦痛でしかなかった。腹の中を見透かされないように、あまり喋ることをしなかった。そんな自分が嫌いになりそうで嫌になっていた。 ある日、小室の隣りにカズが来た。カズのことはある程度、患者達のネットワークで知っていた。
カズは挨拶だけ小室とした。それ以外はどことなく人を避けているみたいに見えた。 小室はカズに話しかけるきっかけを探していた。しかしカズは一回も小室を見ることをしなかった。 そんなカズに見舞いの人間が来た。
松山は入院患者達の間では有名であった。本人はまったく知らないが、患者達の間では、あの婦長に何を言われても諦めずに病院に通ったことに患者達が注目していた。 その見舞いの相手がカズであった。そこまでして会いたい相手ならばどんな人間か興味があった。
しかし傷が完治していないのか、体の調子が悪いのか、短い時間ではカズのことが計り知れずにいた。 松山達の会話を聞いた小室は大体の事情を飲み込んでいた。しかし松山の言葉には、さすがに驚いた。
でも純真にカズを思う気持ちの持ち主なのは小室はわかった。周りの友達も松山同様カズのことが大切なのもわかった。 小室には果たしてこんな自分のことを思ってくれる友達がいるのだろうか。
一生を決める転換期に小室は今までの経験と実績に未練を覚えていた。 会社を止めて、どこで何をやるかも決めてはいなかった。次の一歩を踏み出すには展望がなかった。 小室は会社にすぐに復帰するつもりはなかった。 同僚達が見舞いに来ることが苦痛でしかなかった。腹の中を見透かされないように、あまり喋ることをしなかった。そんな自分が嫌いになりそうで嫌になっていた。 ある日、小室の隣りにカズが来た。カズのことはある程度、患者達のネットワークで知っていた。
カズは挨拶だけ小室とした。それ以外はどことなく人を避けているみたいに見えた。 小室はカズに話しかけるきっかけを探していた。しかしカズは一回も小室を見ることをしなかった。 そんなカズに見舞いの人間が来た。
松山は入院患者達の間では有名であった。本人はまったく知らないが、患者達の間では、あの婦長に何を言われても諦めずに病院に通ったことに患者達が注目していた。 その見舞いの相手がカズであった。そこまでして会いたい相手ならばどんな人間か興味があった。
しかし傷が完治していないのか、体の調子が悪いのか、短い時間ではカズのことが計り知れずにいた。 松山達の会話を聞いた小室は大体の事情を飲み込んでいた。しかし松山の言葉には、さすがに驚いた。
でも純真にカズを思う気持ちの持ち主なのは小室はわかった。周りの友達も松山同様カズのことが大切なのもわかった。 小室には果たしてこんな自分のことを思ってくれる友達がいるのだろうか。


