競技終了後、清龍と共に特別観覧席へと向かう。



『何これっ!?』


それが“席”についた時の第一声だった。

これ、席って言うより部屋だよ……。


特別観覧席は他の席と違い、屋内に設けられていた。

ふかふかのソファーに足の部分に装飾の施された豪華なテーブル、備えつきのミニバ-、ご丁寧に観葉植物まで飾られている。

もちろん冷暖房完備。



「お疲れ」


ソファーの一つに深く腰掛け、右手に氷と何かしらの液体が入ったグラスを持った紫水が笑みを浮かべる。

それとは対照的に遥はむすっとふて腐れた様子で黙り込んでいた。