『何で紫水だけ種目一個なの?』


「し~ちゃん汗かくの嫌いだから☆」


ニカッと笑って答える由依。

それはそれはとても簡潔な答えだった。


『ズルい』


「それがし~ちゃんだもん☆」


これまたごもっともな答えで……。


深くため息をついた。


「ねぇヒカちゃん、もうすぐ徒競走終わっちゃうよ?

障害物競走って徒競走の次だよね?☆」


『あー!!

そうだった。

でも遥と清龍に特別席のこと伝えなきゃ!!

あ~、でも時間ないし……』


もたもたしている間にだいぶ時間が経ってしまっていた。

時間に遅れるのもまずいし、でも伝言伝えておかなかったら紫水に怒られるし……。