私こそ光る☆君 ~体育祭編~

どうやら遥の鳩尾に蹴りが入ってしまったらしい。

この衝撃は遥を正気に返すには十分過ぎた。



ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ……。


さっきまで笑い転げていたのが一転して、ヒヤリと背中に冷たいものが伝った。


悪気があってやったわけじゃないけど、今の絶対痛かったよね?

どうしよう!!

遥に怒られる!!

わざとじゃないって言っても、ごめんって言っても遥なら“ごめんで済んだら、あの世に地獄はいらねぇんだよ”とか言いそうだし!!


ストンと無言のまま肩から下ろされた。


ううっ、怒られる!!


『ごめんね、痛かったよね?』


さっき笑い過ぎたのと怒られる恐怖の分とで自然に潤んでしまった目で遥を見上げた。


すると遥もこちらを見ていたのか、視線が重なる。

しかし、目が合ったと思った瞬間に顔ごと視線をそらされてしまった。


何この反応!?

かつてないほど怒ってるってこと?

それとも目を合わせるのも嫌ってこと?


一人悶々と考えていたところ、ふわりと身体が浮いた。