奇蹟のはじまり

『俺はさ、弟に会いたい

んだ』

「弟?」

『そう。年が離れてるか

ら小さいんだけどさ、だ

から可愛くって仕方ない

んだ。俺が兵隊さんにな

るんだよって言ったら、

すごい喜んでさ。お前は

兄弟とかいるの?』

「僕はいないよ。だけど

、やっぱり兄弟の絆って

強いんだね」

『ん?』

そいつは不思議そうに笑

った。

「兄弟はいないけど、兄

弟がいる人の絆をみじか

で見てきたから」

僕は遠い昔のことを思い

出していました。

和也様や智くん、そして

翔くんと過ごしたまだま

だ楽しかった日々を。