奇蹟のはじまり

「何のことでしょうか?



平静を装って聞いたつも

りでしたが、喉はからか

らで声は震えていました



『あいつは危険思想の持

ち主だ。一日時間をやる

から今夜中に射殺しろ。

いいな?』

「出来ませんよ。彼は一

緒に戦ってきた仲間です

よ」

『この非常事態に何を甘

ったれたことを言ってい

る!これは俺の命令であ

って、陛下の命令だ。い

いな?もし始末出来なけ

ればお前の命の保障もで

きないものと思えよ』

部隊長は立ち尽くした僕

を残して行ってしまいま

した。

『相葉、今日もこの村に

滞在だとさ』