この平和もきっと見せ掛

けに違いないと決めつけ

ずっと逃げてきました。

長い間、雅紀の死とも正

面から向き合えずにいま

した。

だから、結婚して子供を

育て、今はのんびりと余

生を送っている智を見て

いると眩しい気持ちにな

ります。当たり前のこと

が普通に出来る…俺がず

っと出来ないことでした







『お昼出来ましたよ!』

千恵さんが居間に移動し

ていた俺たちの前にチン

ジャオロースと思われる

ものが乗ったお皿を置き

ました。

ふぞろいに切られた野菜

。お世話にもおいしそう

とは言えません。