「あ、あれって?」

『チンジャオロース』

「は?」

『調理実習で翔くんが味

付け担当したじゃん』

「なんだ、そんなことか



ほっと息をつくと松本く

んがくっくっと笑ってい

ました。

『取って喰われるとでも

思った?』

「そ、そんなことないよ



『そう?何だか怖がって

たみたいだから』

「別に怖がってなんかね

ぇよ。それより、どうし

てチンジャオロースのこ

と気になるの?」

『ん?ああ、懐かしい味

がした』

「懐かしい?」

『うん、昔確かに食べた

ことある味だと思ったん

だ』