奇蹟のはじまり

「背中冷たい」

『そんなところで寝てれ

ば冷たくもなるでしょ』

かずが呆れたように言い

ました。

なるほど、かずが言うよ

うに気付くと川沿いの桜

並木の下で仰向けに寝て

いました。

「どうしてこんなところ

にいるの?」

『俺だって聞きたいです

よ』

「だってさっきまで、潤

くんのところにいたのに

。奥様の声がして…」

『母さんの?じゃあ、や

っぱり聞こえたの?』

かずが目を見開きました



『うん、聞こえた。だけ

ど、翔くんの話とちょっ

と違った』

僕はさっき体験した出来

事をかずに話しました。