「翔は翔さんなの?」

やっとの思いで一言だけ

言いました。

だけど、翔は黙ったまま

何も答えてくれません。

『まだ混乱してるから。

翔くんにはあんまり聞か

ないであげて』

潤くんが翔のフォローを

しました。

「どういうこと?俺には

まだ全然何が何だか見え

てないんだけど」

『何から説明しようかな



潤くんは暫く考えていま

したが、少しづつ話して

くれました。

『翔くんの中にはずっと

もう一人の翔くんが眠っ

てたんだ』

「もう一人の翔…?」

『そう。かずや智くん、

雅紀さんと過ごした記憶

を持った翔くんがね』