「は、はぐらかさないで

よ」

『じゃあ、本題入る?』

急に松本くんが真顔にな

りました。

自分から聞いておきなが

らちょっと怖じ気づいて

いる自分がいます。

『そんなに怖がんないで

よ』

「別に怖がってなんか」

昨日同様松本くんの真っ

直ぐな瞳が俺の瞳を見つ

めていました。

『会ったことはあるよ。

いや、会ったどころか、

ずっと一緒にいた。翔く

んは覚えてないだろうけ

ど』

「どこで会ったの…?」

松本くんは答えませんで

した。

『雅紀さんの話を聞けば

もしかしたら思い出すか

もしれないと思ったんだ

けど、嫌な思いさせただ

けだった。本当にごめん

ね』