松本くんを追い掛けてい

ると体育館裏に入って行

くのが見えました。

俺も急いで後を追いまし

たが、まるで煙のように

消えていました。

『何やってるの?』

辺りを見回していると、

後ろから声をかけられま

した。

「あ!えっと…あー」

目の前には当の松本くん

が立っていました。

『僕に用事があったんじ

ゃないの?』

「えっと…、以前にも松

本くんに会ったことある

?」

『ん?昨日も会ったよ』

「いや、あの、そうじゃ

なくて」

自分でも何から言ってい

いか分からなくなってい

ます。