奇蹟のはじまり

「うん。言っとく。おば

あちゃんもそれ聞いたら

喜ぶと思う」

『じゃあ、また明日学校

でね』

「うん。また、明日」

俺たちは手を振って別れ

ました。

俺が違和感に気付いたの

はベッドに入った時でし

た。

『どうして、おばあちゃ

んの名前…』

別れ際、松本くんはおば

あちゃんを千恵さんと言

いました。それに、今ま

で僕を大野くんって呼ん

でたのに、思わずと言う

感じで翔くんといいまし

た。

「もしかして、僕は松本

くんに以前にどこかで会

ってるの?」

暗闇の中でいくつかひっ

かかっていた出来事を思

い出していました。