中央総合病院に着くと、病院の前に京香のお母さんが待っていた。


『…和也くん。』

『……』

俺らは何も言わず、

何も聞かずに、ただ京香の寝ている場所へ向かった。







ガラッ。


病室のドアを開けた。


俺の目に飛び込んできた、京香の綺麗な顔。


『…京香。起きてよ…?』

『…和也くんっ…』

京香のお母さんが、現実を受け入れようとしない俺を、止めようとした。

だけど、俺は手を振り払って、京香に近づいた。




『なぁ、京香…?』





『なぁってば…。寝てんの?(笑)』




『早く起きれよ。』




『京香ってば…。』



京香のお母さんは、たまらなくなったのか、病室を出て行った。



俺は、京香の頬に手を添え、冷たくなった唇にそっとキスをした。




『…なんで冷たいの…?なんで…、かなぁ…っ、』



俺の涙が、京香の頬に落ちた。