教室にはあたしと修夜君の二人だけになってしまった。



「あの二人どこに行ったの?」


「あぁ、たぶんね。どこにも行ってないよ」



どこにも行ってない…?



「ど―ゆう意味?」



すると修夜君は自分の机に荷物を置いてから話し始めた。


…どこにも行っていないってことは、拉致されたの?!


奈留ちゃん…大丈夫なのかな。


あたしが助けるしかなくない?




「俺が実紅ちゃんに話あったからだよ」


「…え?」


あたしに修夜君が話?



じゃあ、奈留ちゃんたちは?



「うん。舜のことでね」


舜という名前を聞いただけで修夜君があたしにしたい話は良いことじゃないと分かった。




「舜…実紅ちゃんにキスしたんだってね」


「…うん。でも、なんでそれを修夜君が知ってるの?」



あたし誰にも言ってないのに…。









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