狼彼氏×天然彼女










「舜に…余裕があって
……………不安だった」




本当のこと言うとね…



結構前から…


ううん、付き合ったときから…





舜に余裕があるように見えたんだよ?



あたしだけ
あたしだけ


いつも、そればかり思ってた。




ねえ、

舜は知らないでしょ?



あたしが不安だったこと


知らないでしょ……?






「分かってねえよ」


「…え…?」




分かって…ない?



「俺の気持ち、
分かってねえよ?」


「なに言って―…」


「俺に余裕なんてこれっぽっちもねえし、ドキドキだってしてねえ訳じゃねえから」





うそ……



舜もドキドキ

してたの…?


舜も余裕

なかったの…?




あたしと一緒だったの…?



「バカはどっちだよ、ばーか」


「――…っ」





涙が溢れ出るように出てきた。



そしてギュッと舜の暖かい腕に包まれた気がした。





ううん…



包まれた。








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