案の定、 狼はそこにいた。 「何してんの?」 ものすごく低く冷え切った声。 あたしは、その声ですぐに舜が怒ってると悟った。 「ただお喋りしてただけだよ」 「ふーん」 うわ…… 絶対怒ってるよ… だって眉間にシワ寄ってる…。 ってか、この後怒られるのってあたしじゃない…? 「じゃ、俺そろそろ帰んね」 空は その場から去った。 「逃げねえの?」 ……え………… 「逃げねえなら捕まえるけど」 「逃げる!」 っつーか… あたしって何で 舜から逃げてんの? .