「俺はそんなに飢えていません」
俺も実紅を睨み返した。
すると実紅は俺から目を逸らしやがった。
コノヤロー…目なんか逸らしやがって―…。
目逸らされたほうの身にもなってみろよな…?
結構、ショック受けんぞ。
「飢えてないって―…?」
こいつ飢えてないの意味分かんねえのか…?
「飢えてねえってのは、そんなに欲求不満じゃねえってこと」
「…欲求不満ってなに?」
こいつ――…
どんだけ天然なんだよ。
飢えてないの意味も分からない。
欲求不満の意味も分からない。
これは…
人類最高の天然だ。
ここまで実紅が、天然とは知らなかったな。
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