「なぁにむくれてるんだよー。陸」 そう言って、僕の頬を摘む。 「…」 空は僕を安心させるように微笑むと、耳元に顔を近づけて囁いた。 「僕にはーー陸、だけだよ」 ぎゅう。 僕は空にしがみつくように抱きしめた。 空がずっと 僕から離れていかないようにと… 願いを込めて。