苦しい。苦しいよ。 嘘をついてまで付き合うことは、間違っているよね? 「あたし、あたし……」 「ヨシが好き……だよ」 なんて汚い人間なんだろう。 「安心したよ」と、ヨシは軽いキスをくれた。 早くヨシを好きになろう。 翔なんて忘れてしまおう。 お願い、あたし。 早く翔を忘れて。 早く翔を消して。 そっと目を閉じて、今度はヨシの唇に自分から口づけをした。 ヨシは少し照れたように前髪を触っていた。 胸が、また痛んだ。