♪~ 頭の上から、流行りの着うたが流れた。 俺の携帯だ。 俺はさも今目を覚ましたように体をもぞもぞと動かし、手を伸ばして携帯を探った。 それと同時にピタリと止まる梓の声。 「誰だよ~」 起きたばかりを装い、目を擦りながら眠そうな声を出し体を起こす。 携帯を鳴らしたのは、同じクラスの友達だった。 まじ助かった。 タイミングよく電話を鳴らしてくれた林原に感謝だ。 ベッドに目を向けると、2人とも壁側を向き俺に背を向けて寝たフリをしている。