親なんていなくても大丈夫。

あたしはここまで、1人で生きてきたじゃない。

寂しくなんか、ないんだから。




親を小さい頃に亡くして

ずっと1人で生きてきたあたし・・・ゆうは

今日も普通の毎日を過ごすつもり・・・だった。





まだ日が昇る前の午前5時。

あたしは、何かのこの音で目が覚めた。






”ドンドン!!”






は・・・?

チャイムじゃなくてドアを叩く音。

眠気が一気に吹っ飛んだ気がした。

しょうがなく玄関に向かう。

そして、ドアを開けた―――・・・。

そこには、キレイな顔立ちの少年が1人。






ゆう 「あの~・・・どちらさま・・・。」






寝ぼけたあたしが言いかけた言葉を遮るように

その美少年は大きな声で

あたしに言った。








「僕を・・・僕をここに住ませてくださいっっっ!!!」








・・・?

あたしは、今頭を下げられていますね・・・?

この人、あたし初対面なんですけど・・・。

これは夢かしら?

・・・。

・・・。

うん☆゛夢よね!

そーゆーコトにしましょう♪

もう1度布団に入って

再び目を開ければ全て元通り!







ゆう 「じゃっ!おやすみなさ~い!」 







次はどんな夢を見るかなあ??

若干壊れたあたし。

だが、その美少年くんは

夢の中の人物じゃなかったみたい。

あたしのパジャマの裾を引っ張り

涙目であたしに言った。








「お願いです・・・ここに住ませてください・・・。」