紫陽花


進と2人ならまだしも、
今回は彼女さんがいる。
いくらなんでも、
無言の状況をつくるわけにはいかなかった。
そうなんとなく思ったのだ。

だが、
おれは進といるときたいした話なんてしていなかった。
むしろ2人でいるのに、
ひとりでいるような空間だったから。

何かネタになるようなものを探したが、
見つかる筈もなく、
料理を待つ間無言が続いた。