紫陽花


「よう、待たせたな」

「いや、おれたちもさっき着いたところだ」

駅のホーム、
みどりの窓口で落ち合った。

進の隣には笑顔を絶やさない女性が立っていた。
どこか幼さを感じた。

「どうも」

おれは彼女に向かって軽く挨拶をした。

そしてまたおれに笑顔を振りまいた。
これが彼女との出会いだった。