紫陽花


「彼女は?」

進がおれに聞いた。

「いや」

「もったいないな。健一おれよりもかっこいいし、何より優しいのに」

「よせよ、気持ち悪いじゃねぇーか」

「高校ん時もそうだったな」

「そうか?」

「あぁ、おれは健一がわからなかったさ。女子からあんなに告白されてたのに、全部断っちまうお前がな」