紫陽花


「何?」

おれはすぐ聞いた。

「千鶴ちゃん。可愛かったな〜」

そう言った悠治を見て、
やっぱこいつは単純だなと思った。

てっきり里美のことだと思っていたが、
悠治にとったらあれで納得していたのだろう。

「なぁ健一」

「ん?」

「おれ今日から千鶴ちゃん一筋で行くから、そこんとこよろしく!」

おれは悠治を見ていつも思う。