紫陽花


飲みはじめと早一時間たち、
羽田さんが席を立って御手洗いへ行った。
そのすきに里美にたずねた。

「なぁ、里美」

「何?」

「彼氏ができたってほんと?」

少し驚いた表情をした。
けどすぐに笑ってこう言った。

「うん。あれ?言ってなかったっけ?」

そう言った里美がとぼけたようにおれは思えた。