「それで、こんな遅くまでどこ行ってたの?」



リーナはキンから離れると、いつも通りの優しい声で尋ねた。



「あ、え〜っと……」



レッジからは口止めされている。



でも、いい言い訳の場所が思い当たらない。



キンは答えに詰まった。



「……予想はつくけどね」



リーナは小さく笑うとキンに背を向けた。



「さ、ご飯食べなさい。
お腹空いたでしょ。」



言われてみればずっとご飯を食べていない。



お腹が空いてくるほどの気持ちの余裕がなかったのだ。



「うん、食べるっ!」



キンはテーブルにつくと、用意してくれた夕ご飯を食べる。



「きゅ〜きゅ〜」



モソモソと出てきたレイはキンの肩からテーブルへ飛び移った。



「あ、レイも食べる?」



白パンを半分に割ってレイの前に置くと、レイは嬉しそうに鳴いて白パンを食べはじめた。




「あら、その子は?」



レイを見つけたリーナは興味深そうに見つめている。