「キン、早くご飯を食べなさい。
食器が片付かないわ。」



「待って、もう少しだからッ。」



キンと呼ばれた少女は頭を軽く振り、手櫛で長い黒髪をとく。



すると、ボサボサだった黒髪は真っ直ぐで艶やかな黒髪へとなった。



そして、黒髪を少し高い位置でまとめ、ピンクのゴムで結んだ。



「よし、完了☆」



キンは髪の毛の位置を調整すると、自分の部屋を出た。



部屋から出ると、パンの香ばしい香りとストロベリージャムの甘い香りが鼻を擽(くすぐ)る。



香りに誘われるようにテーブルに近付けば、一人前分の朝食が置いてあった。



「やっと起きたのね。
さぁ、早く食べちゃいなさい。」