──案内されたコルコル族の村は、三人の目から見るととてもこぢんまりとしていた。

 建物は木造で田舎や避暑地にありげなログハウスに似ているが、一軒一軒のサイズは人間の家より二回りほど小さく感じられる。

 人間と似た文明を有しているようではあれど、その見た目のためか相当に可愛い。女性の服装はチロル地方の民族衣装を思わせる。

 やはり私が異質だったかと、ベリルはコルコル族の暮らしぶりを複雑な表情で眺めた。

 人口はさほど多いようには感じられず、のどかな村といった様子だ。話が通っているのか人間が珍しいのか、人々は遠巻きにリュートたちを窺っている。

「ここが長老と僕の家です」

 示された建物の前で止まる。

 二階建てではあるが、やはり小さい。扉には装飾が多く施されており、位の高い者がいる事を表していた。