──そうして出発の朝、すっかり慣れたカルクカンにティリスは軽快に飛び乗った。
「お姉ちゃん! これ」
「ありがとう。これはなに?」
子どもたちが差し出した青い石のペンダントを受け取る。
「僕たちのお守りです」
レキナがそう言って小さめの馬にまたがった。
「そうなんだ。綺麗」
半透明の石は鍾乳洞によって作られた湖のように美しく輝いている。とても珍しいもので時折、川底に見つける事が出来るものだ。
「べりるも!」
「リュートにいちゃんも」
「ポヨちゃんをよろしくね」
「もちろんです」
それぞれお守りを受け取り、一同は人々の祈る声を聞きながら、ひとまず東に向かった。
まだ見慣れた風景ではあるけれど、好奇心旺盛なティリスはこれからの旅に目を輝かせている。



