──とは、言われたものの。

 勝手の違う世界で、どんな準備をすればいいのやらとティリスは一人、ポヨちゃんを見つめて唸っていた。

「うーん……」

 全体的に見ると、あたしたちの世界とあんまり変わらない感じがする。

「だったら。いつもと同じ準備をすればいいのよね」

 鼻歌交じりに支度を始めた。

「ポヨちゃんはお留守番ね。相手は炎を吐くんだって」

 ティリスの言っている事が解っているのか、ピンクのスライムはぷるると震えた。どうやら、火が苦手らしい。