「あの~。ここ、どこですか?」

「それは私も知りたいところだ」

「え?」

 この二人も私と同じ状況らしい。

「あの。あたし、ティリス。こっちがリュート」

 リュートと紹介された青年はベリルよりも背が高く、やや見上げる形となる。とはいえ、ベリルは百七十四センチと小柄な方である。

 その差は十センチといったところだろうか。

 落ち着いた金色の髪と翡翠色の瞳。髪は肩にかかるほどの長さで、手入れをしているようではないが風になびく柔らかさがある。

 ベリルが興味をそそられたのはその顔立ち──右眉から頬にかけ、右目を縦断する大きな一線の傷があった。

 しかし、片目だとはまったく感じさせない動きをしている。よほど訓練したのか、生まれつきのものか計りかねた。

「ベリルだ」

「変わった服ですね」

「私もそう思っていた」

「え……?」

「見知らぬ服装ではないがね」

 ポカンとしたティリスを意に介さず、

「問題ない。理解の範囲内だ」

 見えている光景から察するに、私はこの場所にとって異質な存在かもしれない。

「はあ……」

 ティリスは勝手に納得しているベリルに小首をかしげた。