──そうしてリュートはベリルと別れ、思案しながら集落の中を歩いていた。
プラス要素……その言葉がひっかかった。俺に、それがあると気付いているのかと苦い顔になる。
そんなとき、聞こえた水音に思考がかき乱された。
ふと視線を上げると、そこには浴場があり、しかも女性側であると解ったリュートは動きを止める。
人間用にと簡易で作られたものであるためか、誰かが入っている音が筒抜けとなっていた。
確か、ティリスが入浴中だ──リュートはゴクリと喉を鳴らし一歩、足を出す。
「ティリスはもう上がったぞ」
しれっと発したベリルに体を強ばらせ、遠ざかる後ろ姿を呆然と見つめた。
「なぜ知っている」
「さきほど会った」
ヒラヒラと軽く手を振り、夕食の調理を手伝うべく野外調理場に向かう。
今回は彼らの文化を学ぶため、調理自体にはあまり関わらず詳しい作り方を知るために手伝いに加わる。



