カルクカンを三頭分、用意するのはリュートやティリスも彼らの頼みを受けるかもしれないからだ。
ベリルは腕時計に視線を落とし、今は違和感なく時間を刻んでいる事を確認する。
作った日時計からこちらの時刻に合わせているものの、一日が二十四時間ではないのか時計が何らかの影響を受けているのか、朝には若干ずれていた。
GPSから得られる情報はここでは望めない。それでも、無いよりはましだ。電波時計ということも時間のずれの原因かもしれない。
気を取り直し、カルクカン捕獲にと立ち上がった。緊張に鼻息の荒いラトナの背中を軽く叩き、笑顔を見せて馬にまたがる。
「よ、よし!」
ラトナは意を決して同じく馬にまたがった。
「がんばってー!」
ティリスの声援に応えるようにラトナも手を振り、いざ捕獲開始──



