──しばらくして、沢山の料理が運ばれてくる中に肉料理を見つけたティリスは黙り込む。
これって、あの獣よね?
そのときの光景を思い起こし、皿に分けられた肉を睨みつけていたらベリルと目が合った。
食べろと言われるかと思いきや、微笑んでウインクをされた。
リュートも普通に食べているし、大丈夫なのかな。ティリスは意を決し、小さく切って口に運んだ。
「美味しい」
臭みもなく、香草の爽やかな香りが鼻に抜けて、ややパンチのきいた香辛料がいいアクセントになっている。
かけられているソースも、絶妙に肉の味を引き立たせていた。
少し固いかなと思ってけれど、そんなことはなく。兎肉にも劣らないほど柔らかく美味しかった。
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