──修理には予想以上の期間が必要だった事もあり、ベリルは半月ほどをコルコル族の村で過ごした。

 そのあいだ、セルナクスとマノサクスだけでなくミレアも度々、集落を訪れてベリルの料理やスイーツを堪能した。

「ベリル様。お達者で」

「お前たちもな」

「ありがとうございます」

 レキナは涙を浮かべ、薄らいでゆくベリルの影に手を振った。

「ベリル!」

「また来いよ!」

「二度とごめんだ」

「ひど!?」

「もっと言い方があるだろ!」

 マノサクスとセルナクスの叫びを最後に、視界は閉ざされた──